#MOTHER2の話でないので注意(w
で、攻略しました。
…しかし、何かゝう、終はつた、さういふ感慨が沸かずに、エンディング・ムービーを見る分にはクリアーしたらしい、その程度のものしか、出てきませんで、ハンケチを用意しておけとは言はれたものゝ、ただ/\、呆然としてゐる次第です。
それにしても、不思議な感じでした。ボス戰をやつてゐるんですが、淡々と進んで。本當に、あれでよかつたのかなあ、さういふ事ばかり、考へてしまふゲームでした。
19:08
漢数字講座(http://www.akatsukinishisu.net/kanji/kansuji.html)
面白いページを発見>部活の皆様。
19:24
言葉遊びを探しにクロールしていると、NTTのドメインを使うサイトに、
言葉遊び!!(http://www.kecl.ntt.co.jp/banana/)というサイトを発見。
こういうサイトを認めるとは、NTTをちと見直した(ぉぃ
21:35
「分解: 笑」
竹の合間に碑を作り
夭す友を悼む
「アナグラム」
此秋咲きあの子(このあきさきあのこ)
水に揺蕩う髪見返た寛に魅(みにたゆたうかみみかうたゆたにみ)
萌ゆも燃ゆも(もゆももゆも)
是はとうと爆ぜ(ぜはとうとはぜ)
17:28
今昔文字鏡(http://www.mojikyo.org/)の膨大な量のフォントを入れて、JIS外漢字を表示して、悦に入っていた大馬鹿者です。
でも、花とか、祐とか、JIS 0213Xにも旧字がなかったはずで(祐は有ったかしら)、こういうところで悦に入らなきゃ使えないという。
…漢字廃止派めー。君たちのせいで私が本字を使えないじゃないか(ぉ
19:23
急に夏が来た。私の帰省の途中に夏が来たのである。行った時はむしむしとしていて、尚且つ、どんより模様空模様だったのが、帰ってみれば――かんかんぎらぎら真夏日より、である。しかも蒸し暑い。
Dress shirtの中まで日が照って、お風呂に入ろうとしたら、腕が焼けるようだった。
私の通学道中には商店街があるが…、今が書入れ時なのは、コンビニくらいである。(だからどうした
それにしても、大量に水分を消費する。今日は水筒二つを持っていったのに…、部活を閉めるときには終わってしまい、帰り際、コンビニで(苦笑)、麦茶を買わざるを得なかった。しかし、麦茶はうまいのがないな。
20:52
夏だ――夏と言えば、欠かせないものがある。
「わあい、欠き氷。」
子供の声があがる、昔風の店先。簀の子に足が生えたような感じの長椅子が店先に並び、その上には、「氷」と筆文字で書かれた、氷売りの証が引っ掛けてあり、瓦でもトタンでもない、板葺きの斜めがかった屋根で暗くなった中には、欠き氷を削る機械と、氷の入れ物と、顔にしわの幾線も入って、氷をはしゃいで食べる子供等をにこにこと見守る老婦人とが在った。この店では、老婦人がずっと切り盛りしている。
この老婦人には、今でも覚えている客が有る。
<続>
21:57
老婦人は、思い出そうとすれば、その日はどんな日だったか、どんな客が来たか、そこまでしっかりと思い出すことが出来る。だが、そこまでの記憶力を持っていたっていなくたって、この客を記憶に留めておいたのは、この店の主人が矢張りこの老婦人であるからだった。
あの日はどんな日だっただろう。婦人の言葉を借りるには、「空から大粒の雨がざあざあと降る、とてもやとても、店に客が来ない日」だった。その日来た客は、晴れた日の四分の一もなかった。
§
ざあざあと雨が降り続いて、店の主人はとても暇だった。店を開いて十数年、毎年夏にだけ開く店で、晴れの日は大分繁盛して、店をやっていくのに十分な利益は得られた。しかし、雨の日ともなると、一気に閑散として、雨を眺めるしかなかった。主人は別に家を持っていて、店には、商品の、欠き氷と飲み物しか売らないので、壁と屋根しかない簡素な建物であったからだ。
<続>
21:56
兎も角、眺め続けるより他ない。たまに、雨がざあざあになって、客が着ては、いくらか飲み物を買って、雨が落ち着くのを待って、しとしとと降る雨の中へ飛び込んでいく。
こういう風景というものは、見ていて、餘り、退屈を紛らわしてはくれない。ぴちゃん、ぽちゃん。雨が降る。ざあざあざあざあ。土砂降りが降る。
その人が来たのも、こんな日だった。軒端に人が駆け込んで、雨止みを待って去る天気の日。だが、その人は、他の人とは、どこかが違うのだった。
<続>
21:57
暇なので明記してませんでしたけど(でも、自己紹介には載ってる)Y! Messangerには、okzhrのidで登録していますです。
因みに、AOL Instant Messangerだと、kazkzhrで登録してますです。
11:27
今欲しいものを列挙してみよう。
こんなものだろうか。計、\14,951…。
貯めにゃならん。
13:43
老婦人は、この人も数ある通過客に過ぎないと、最初は思った。しかし、どこか受ける感じが違うのだ。
「おばちゃん、麦茶くれい。」
雨の日の売れ筋は、一番安い、麦茶。所詮、通過客は雨宿り代として飲み物を買うのだから、一番飲みやすい上、一番安い麦茶が一番選ばれる。他の客のように、駆け込んできたその人は、長居する気らしく、宇治金時を注文した。長居する客は、それほど、珍しくはない。
「珍しいですね、雨の日に宇治金時なんて。」
その客を、婦人は今まで見た記憶がない。
「夏はいつも、宇治金時って決めてるんですよ。」
渡された宇治金時を崩しながら、その人が答えた。
「皆さん雨止みを待つだけで、麦茶しか買っていってくれないんですよ。」
「そうですか。」
その客は、宇治金時をゆっくりと口に運んだ。
<続>
21:33
老婦人は、その後、その客に何も話し掛けず、ただ眺めた。
――優しそうな目付きをして、すらっと細身の体が、宇治金時と頭のなかで噛み合わなくって、可笑しい。
その視線に気付いたのか、客が婦人の側を向き、
「どうかしました?」
と尋ねてきた。婦人は慌てて、
「いえ、何でもありません。それより、雨が落ち着きませんね。」
と答えるので精一杯だった。
「そうですね。」
その客は、変なのとも、微笑したとも取れる表情をしていた。
客は、食べ終わった後、暫らく座っていたが、雨が小振りになると、
「ありがとうございました。」
と言って、出て行った。
<続>
16:45
§
そんな顛末を思い返す。
――あんな日もあった。
そういう風に思っている。あれからもう、十年も、二十年も巡り巡って、自分はまだこの店を開いている……。騒ぎながら氷を食べる子供たちを見ながら、それをおかしく思う。この老婦人は今も、老夫人ではないのだ。
「こんにちは、宇治金時を二つ。」
男の声がした。
「はあい。」
そう言って、婦人は氷を機械に掛けた。そして、挨拶でも言おうとその客の顔を見上げて…、婦人は何も言えなくなった。
<続>
10:54
「こんにちは。お久しぶりですね。」
…あの客だった。
「ああ、あの時の。」
と、老婦人はそうとだけ言って下を向き、氷を削るハンドルを廻し始めた。客は二つ氷を注文した。婦人はそっと、客を見上げた。
客の手を握る手。大きく、ごつごつした、昔と大差ない細身を保った体とまた違和感を感じさせる手に、赤々として、柔らかそうな、小さな手がしっかと握られている。
「お子さんですか?」
と、婦人は聞いた。
「ええ、まあ。」
「小さいんですね。」
<続>
17:49
「五歳です。」
「可愛い盛りですね。」
と、婦人は、小豆を掛けて、一つ目の氷を手渡した。
「ふふふ、お変わり有りませんね、前と。」
受け取りながら、客が応える。
「ええ、この辺りはすっかり変わって仕舞いましたけど、私だけは。」
「私もあれから変わりない積りでしたけど、結婚して仕舞いまして。」
結婚と言うのは、して仕舞うと言いたくなる様なものなのだろうか、と、婦人は考えてみた。
「はあ、私は独身ですから、そういうことには疎くて。」
「…え。」
「…どうかしました?」
思い掛けない事に、婦人は手を止めた。
「い、いえ、何でもないです。」
客の目がきょろきょろしだしたのに、婦人は、何かを感じた。
<続>
16:27
モノカキさんに30のお題(http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Tachibana/8907/mono/)に挑戦。
はい、無謀だなんて分かりきっています。…しかし、安易ですなあ、自分。
モノカキさんに30のお題(http://karpa.s12.xrea.com:8080/bbs/viewtopic.php?t=90)で玉砕中。
16:51
今日ベクターで、下にもあるS明朝体(http://www.nisfont.co.jp/home2/products/smincho/sminchou.html)を購入してしまいました。
八千円を投入しなければならないんですね、ふふふ(壊
17:09
岩波文庫の歎異抄を購入。
少なくとも、私の先祖が眞宗の信徒であつた以上、かういふ分野に興味を持つのは何ら不思議なことでないと思ふ。遠藤周作氏の言ふ、神は一度捕らへた人を離さないといふのは、佛教にも當てはまらう、さう思ふのである。
18:52
「はい、もう一つ、宇治金時。」
婦人は、わざと客の狼狽を無視した。
「すいません。いくらですっけ。」
「普段なら二つで三百四十円ですけど、特別に、お安くしておきます。二百五十円でいいですよ。そのかわり…、またその子を連れてきて頂戴ね。」
と言い、婦人は微笑んだ。客もつられて笑う。
「パパ、食べよう?」と、今まで黙っていた子供が客の手を引っ張った。
「あ、ああ、食べよう。」
客はそれなりに「父親業」が様になっていた。穏やかそうな家庭が、婦人の脳裏に浮かんだ。幸せな家庭で、きっとこの子は育っていくんだろうな、そういう幸福が、あるのに違いない、婦人はそうとも思った。
<続>
19:02
「すいません。」
急に声を掛けられて、はっとした。
「あ、なんでしょう。」
「ハワイアン一つ。」
「おばちゃん、」
「待ってね。この人が先よ。」
新しい客が入ってきた。それに続いて、子供たちが雪崩込んでくる。婦人はそれに動じず、丁寧に応対していく。
「はい、ハワイアン。」
「お金は…。」
「食べ終わってからですよ。」
「そうですか。」
客の顔が、妙にニヤニヤしているように感じたのは、気のせいだろうか。
<続>
18:16
タイトルに惹かれて、ほぼ日刊イトイ新聞 - 大人の小論文教室。(デザインって何ですか?−読者と山田の往復メール)(http://www.1101.com/essay/2001-01-17.html)を見た。そして、一番最後の、「謙虚な自信家」と言う部分を見て、こう考えた。
何かを表現する―ここでは、モノを作る人といおう―人は、自信家であるだけでなく、自分が表現し、伝える相手を、「愛する」人でも無かろうか、と。嫌いな相手に、身を削って作り出したものを、どうして伝えようとするだろうか、身を削るだけの相手じゃなかろうに…、と思うのだ。
これは一笑に帰する考えであろうか?
21:59
「おばちゃん、おばちゃん。」
「あ、はい、何?」
「ええっとね…。」
不審な客に許り気を裂くことも出来ず、子供たちを捌きに掛かる。客はもくもくと食べているが、時々、ちらちらとこちらを見てくる。婦人は、声を掛けてみた。
「何か、なさいました?」
「い、いえ。」
客は、声を掛けられて、びくっとした。婦人は益々怪しむのだが、いつも以上に込む店で、それ以上の対応は出来そうに無い。
客は、一皿食べ終えると、氷を待つ子供たちの後ろに並んだ。
<続>
18:10
typoに気づかずアップしそうになった(汗
今回のメンテではどこも速くなっていません(ぉ
返信のときにファイル二度開きしていて無駄なのだけどね、解決方法が思い浮かばない。返信なんで滅多に使わねえなんて妙な高のくくりをしていますが何か。
17:11
客はまた「ハワイアン」と言った。婦人も応じる。二杯食べる客は居ないでもないがそう多くはない。一見するとどこにでも居そうな出でたちをしているし、愛想を振り回しているようにも見えなくない。食べ方も普通、顔も普通。何が不審かって、その普通さと、こんな場所まで来て氷をお代わりする般を逸した所とが、余りに違和感を与える事にあった。若しかしたら、最初の印象が無かったら、その違和感さえ感じなかったかもしれない。
<続>
23:54
京都に出張に行った父が「赤福(http://www.kanshin.com/index.php3?mode=keyword&id=273399)」を買って来ました♪
京都駅で買ったそうですけど。
21:29
かつて無いことに、婦人は内心喘いだ。もしかしたら、「怪しい」客は何もしないかもしれないし、よからぬ事をするかも知らない。ただ、体の割りに食べたがる人なのかも知れないし、そうじゃないかもしれない。助けて、助けて。
婦人はちらちらと、自分でも気付かずに、無意識で、あの客を見ていた。全く、無意識に、だった。そうして、「無意識に」見ている自分に気付き、自分に傷つき、自分を諌めた。婦人は、無意識を自らを滅ぼす元凶と、人一倍意識していた。
この客が何かしでかすなら、早めにそう出来なくさせてしまえば良い。でも、そうじゃなかったら、却って自分を危険に曝す。婦人は、その並人外れた意識の所為で、そこまで考えを発展させていた。そこで、婦人は、賭けに出た。
「坊や、おいしい?」
婦人は、あの客に助けを求めることにした。
16:42
「うん、おいしい。」
と、あの客の子供は、素直に応えた。口の周りを、宇治金時の、緑と小豆が染めていた。あの客は、子供の口を拭きながら、
「良く続けていらっしゃいますね。」
と言った。
「ええ、この場所が好きですし、夏だけしか開きませんから。」
例の、怪しい客と、あの客とは、隣り合わせだった。今の婦人には、怪しい客の動き動きが、全て怪しく見えて仕方が無い。
「そちらの方も、どうです?」
婦人は、声を掛けてみた。もう少しで食べ終えようかと言う客は、ちらとこちらを向き、「はい」と小さく答えた。
「それはそれは。」
婦人はにこやかに答え、「ゆっくりしていって下さいね。」と付け加えた。
<続>
16:59
「ええ。」
と答える様は、爽やかな好青年そのものだった。しかし、婦人には、初めて見たときに決定されてしまった、この客への固定観念で、何かしでかすのに違いないと決めつけていた。あの客に話しかけつつも、警戒を止めない。少しでも変な動きをすれば、捕まえてやる――。
客はさっきまでのペースががらりと変わり、ゆっくりになった。さすがに婦人も、本当に何かしでかすのかと、不安に思い出した。
<続>
22:09
以下の方は消息をお伝えください、私は出不精で、ネットしか消息確認が取れませんし。
御連絡を心待ちにしております。
23:19
「おばちゃん、ストロベリー、一つ。」
と、子供が声をかけた。婦人は、ああ、と、振り向き、そちらに行こうとした。店の前に並ぶベンチを離れ、氷の台へ向おうとした、そのとき。
だっ、がちゃん。
駆け出す音がして、遅れて割れる音がした。
(仕舞った…!!)
婦人は、急いでそちらに駆け出そうと、向こうに向き直った。すると、あの客が、食い逃げ客を追っているのが見えた。
(あ…。)
婦人は、一瞬固まって、すぐはっとして、駆け出した。あの客は、大分年だろうに、ぐんぐん、若者の客へと吸い付くかのようだ。そして、若者の肩を掴んだ。
<続>
19:00
KNOPPIXという、CDだけでLinux!な(何)ヂストリビューションが有りますが、冷夏を如何お過ごしでしょうか(違)。
と言う訳で、Knoppixです。苦悩ピ楠(無理)と読むそうです。で、isoイメージをダウンロードして、\100-ショップで買ったCD-RWに焼き込もう(何)としたら。isoファイルで焼き込んでいるぞ>自分。セッションをクローズしたため、もう使えない。ああ無駄だったCD-RW。今度は、isoイメージを焼き込むぞ(泣
16:11
§
店の前のベンチで肩をすぼめて青年が座っていて、子供たちは青年を興味の対象にして取り巻きを作っていて、青年の前には目と肩を怒らせた婦人と青年を捕らえた客とが立っていた。
「話は警察に来て頂いてからにしましょう。」
「あ、あの…。」
と、青年が怯えた素振りで挙手した。
「何か。」
凜とした声で、青年を威圧する。
「あ…、警察沙汰にはして欲しくないと思ったのですが、矢張り何でもありません。」
精一杯の作り笑顔。まるで、私は無害だとさえ言いたげに。
<続>
23:33
「…警察の方には、この方が物事の道理と言うものをちゃんと理解できるようにご指導していただくよう強く申しておきましょう。それより、」
と、婦人は目を青年からあの客へと向けた。
「ありがとうございます、ここまでして頂いて。」
客も、少し目を緩めた。
「いえ、これ位。」
「足が御速いんですね。」
「いえいえ、若い頃に比べれば。」
「まあ、そんな頃と比べちゃ為りませんよ、今は今、昔は昔。同じ目線で見るとしっぺ返しを喰らいますわ。」
「ふふ、そうですね。」
「それに、この方、足に自信があるからこそ、あんな暴挙に出たんで御座いましょう、そういう方にあそこまで早く追い附くのは、矢張りすごいですよ。」
<続>
21:55
「若い頃に一寸、やりましてね。それでの自信ですかね、矢張り、一寸、疲れましたが。」
「まあ、無理までして頂いて。そう、お礼がないのもなんですから、お茶をサービスにしましょう、私が毎日炒って作っている、特製の麦茶なんですよ。」
「ありがとうございます、安くしてもらった上にそこまで。」
「いいんですよ。…坊やにもあげるね。」
と、婦人は、腰を低くして言い、麦茶を用意しに行った。そしてすぐ、コップ二杯の、よく冷えて汗をかいている麦茶を盆に乗せて持ってきた。
<続>
22:07
「はい。」
客は再び睨みをきかせていた目をやわらげ、麦茶を受け取った。青年はもはや動こうともしない。
「いや、汗をかいた後には本当においしい。」
「ありがとうございます。ほら、坊や。」
と言って、婦人は子供にコップを渡した。
「ほら、ありがとうでしょ。」
もらっても何も言わない子供は、父に促されて、渋々言った。
「ありがとうおばちゃん。」
「いえ、ほんのお礼ですから。」
「いや、本当にありがとうございました。」
客はその後、警察が来るまでいた。そうして後、子供の手を引いて帰って行った。
<続>
21:16
§
あれから大分経つが、あの客はまだ約束をはたしていない。婦人も、そろそろ希望だけで物事を進めるのがほとんど叶わない年齢となった。以前、丁度約束をしたときも、そろそろ潮時かと思い始めていた頃だった。しかし、あの約束を結んだことにより、まだ続けていく決心のようなものが出来たのだが、如何せん、年齢の事も有るし、もう、限界を過ぎようとしている…。どんなに強い希望を抱こうが、これだけはどうすることも出来ない。
そこで婦人は廃業を決心した。そして最後の日。最後だというので集まった人々が去って、婦人は一人になった。ベンチに座ってぼんやりしていると、ふと声をかけられた。
「おひさしぶりです。」
<続>
23:21
いきなり声を掛けられて、婦人ははっとした。慌ててきょろきょろとし、青年、或る青年の姿を認め、始めは一寸驚き、――すぐにああという顔をした。
「お久しぶりです。」 青年は以前の面影を処々に残しつつも、矢張り、大人びた顔へと変わっている最中だと一目で分かり、爽やかな印象を与えるのは必至だった。
「まあ、すっかり大きくなって、一目には分かりませんでしたよ…お父様は?」
「父はですね……死にました。」
「まあ…。」
婦人は絶句した。さっきまでの青年の顔が、今更藍を帯びていたように感じる。
「……自殺だったんです。」
「…。」
「…半年前でした。悲しかったですよ、父が死んだことだけが私たち遺族を悩ましたわけではないのです、父が母以外の人を愛していたことが、悩ましているのです、…あなたを父が愛していたことが。」
<続>
21:50
「…。」
婦人は返事が出来なかった。自殺したこと、そして、あの客が自分に好意どころが愛さえ感じていたということ、どんな頭を持っていようが、唐突すぎる、しかも代理での告白に、対応できるはずもなく、それらを嚥下しようとして嘔吐しそうになり、嘔吐しそうになるのを押しこらえてまた咀嚼し、その繰り返しを経て、ようやく嚥下しきるのだった。婦人は妙な不快感と、心の高ぶりを感じて、また口を開いた。青年はじっとそれを待っていた。
<続>
22:53
「今一、理解し切れていないのですけれど、要するに、彼が、私との関係を苦に思って自殺したとか、そういうことなんでしょうか?」
青年は、目を閉じ、ゆっくりと首を横に振った。少し思い詰めた顔をして、又ゆっくりと目を開き、意を決したようにこう言った。
「父は、何も言い残してはいません。父があなたを愛していると知っているのは、私だけです。父に連れられていったあの時、子供ながらも、父の態度がおかしいのを強く感じました。そうして、父が、あなたを愛していたと知ったのは、父が自殺したからなのです。」
そう言って青年は一つ息を吸い、又話し始めた。
「一報を受けた時、最初は私も冗談だろうと思いました。しかし、事実だったのです。言われてみると、あなたの店を訪れた時から、父は何だかおかしくなってきたのです。子供心に感じた違和感は、この一事を以って考えるより他ありません。父は、あなたを愛していて、そうして、家族へのやりきれない気持ちなどを背負って、自殺したのです。」
<続>
16:06
今日ふとしたことでだいぶ前に書いた作品の、「くも」を読んだ。
昔っぽい稚拙な筆で書かれていて、今も毛すら生えたか怪しいところなのだが、苦笑したくなる技術ではあるが、あれで発した問いは、いまだに、私の中で一定の強さを保ち、その問いが、私の作品の中核を為しているようにも思え、再読した今日、改めて、問いを発したく思った。
果たして我々は真に自由たり得るか、我々は自立たり得るか…。多分に問いの答えは出そうにない。
12:16
以前から遅ればせながらという語が一々耳に引っ掛かって耳障りだった。そこで広辞苑に拠ってみると、後れ馳せと言うのが正確な表記だと言う。面白がって他の辞書にも拠ってみたところ、そもそも、後れの方が正統表記で、遅は、動詞に用いるのだと言う。
…しかし、私の脳内には遅馳(おそば)せながらと言う語しかないので、修正を迫られているらしい……。
18:27
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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Script written by れん©
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