客はまた「ハワイアン」と言った。婦人も応じる。二杯食べる客は居ないでもないがそう多くはない。一見するとどこにでも居そうな出でたちをしているし、愛想を振り回しているようにも見えなくない。食べ方も普通、顔も普通。何が不審かって、その普通さと、こんな場所まで来て氷をお代わりする般を逸した所とが、余りに違和感を与える事にあった。若しかしたら、最初の印象が無かったら、その違和感さえ感じなかったかもしれない。
<続>
23:54
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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