「しかし、父はそういう思いこそ持ちすれ、自殺したのは、他の原因があってのことなのです。確かに、父は内心苦しんでいたのに相違ありませんでしょう。しかし、父は経営の行き詰まった会社の経営問題や、借金など、そちらのほうが理由と考えた方が妥当な問題をいくつももっていました。だから、すぐ来ても良かったのですが…、どうにも、気が進みませんでした。そのことでは、御責めにならないと思います。多分、あなたが私を責めるとすれば、父の相談相手となれなかったことでしょう。」
青年の目はきっと婦人の目の一点をじっと見ていた。婦人は青年の喋る間、青年を見つめ返していたが、青年が喋り終えると、うつむき、ゆっくりと、言葉を紡ぐと言う形容が似合う具合に、言葉を選びつつ話し始めた。
「私には、どこにも、あなたを責める権利などありませんし、たぶん、相談相手にもなって差し上げられなかったかと思います。」
<続>
22:12
/bbs/へのアクセスが、非常に少なかった。毎日毎日XREAのアクセスリストにファイル名が載るほどアクセスがあったのに。ユニークビジターは30だったのに。
18:52
「出来なかったと思います。あなたには、お父様の相談相手には成れなかったと思います。お父様が『このこと』について、どれほどにお考えになっていらしたかは、推して知るほかは有りませんが、あなたの考えるほど、お父様の頭の中で、この問題は大きくなかったと思うのです。それに、相談相手になって差し上げられたとして、それで、どうにもなりませんでしょう。あなたのお父様は結婚なさっていて、奥様がいらっしゃる。それに、過去の過ちを今更ぶり返そうなど、私たちは考えない年齢なのですよ、既に。」
婦人は微かに笑った。
「そう、明日でこの店を閉めるんですよ、それで、麦茶を作るのは今日が最後です。その最後のお茶を、最初にあなたに飲んでいただきましょう。」
そう言って立ち、麦茶の方へと向った。青年は、一言も喋らなかった…。
<続>
22:06
今日、大枚をはたいて上記二巻を買った。まず沈黙を読了したのでその感想を。
この作品を読んでいて、ロドリゴとキチジローの辿った道の如何にキリストとユダに重ねられているかを思った。私は以前書いた通りに、非キリスタンであり、一応無宗教者である、しかし、この作品を読んでいると、まざまざと、聖書の一場面を突きつけられた気分になる。この作品で私が一番気にかかったのは、ロドリゴよりキチジローであった。自らの弱さに負け、ロドリゴらを「売った」人物である。しかし、ロドリゴを最後まで追ったのもキチジローであるのだ。そのおかしみを、私はいやというほどに感じた。
最後に新潮社へ一言。出版社には改変権は有るべきでないと思いますが如何。解説中に有ったという記述のあるあとがきはどこに行ってしまったか非常に気になります。
00:14
麦茶を煮出すのに使う水に、婦人は氷に使っている水と同じ物を選んでいる。氷は、山の中で作っている自然氷を買っているのだが、水も同じところから選んで買っている。麦は毎日自分で炒ったものを煮出しに使う。普段から使い慣れた薬罐にその水を注ぎ、ぐつぐつ言い出すまで待っている。
待っている間、ようやく、言葉を反復する。「父は自殺しました」…。
そろそろぐつぐつ言い出す頃になって、ようやく、婦人は言葉を反復させるのを止める。そして、茶漉しみたいなのに入れた、麦を薬罐へと投げ込む。薬罐は一瞬沈黙し、そして又勢いを取り戻す。火を加減しなければならない。だから、離れるわけには行かない。
しかし、この評判の麦茶を作るとき、麦茶を作る行為自体はいい、しかし、煮立てる時間の間、途方もなく麦茶から離れたくなる。
<続>
22:06
蛇を踏むを読了した。とても、不思議な感じのする。ファンタジーが現実に混ざったといえば少しはわかりやすいのか。ただ、ファンタジーでは蛇が人になったり人に入り込んだりはしないと思うのである。
沈黙とは趣をまったく異にしてい、そのギャップに我ながら笑う。
新潮に対し、文春には割合に良いイメージを持っている。何せ、時刻表奥の細道が成立できる会社だし。
19:15
昨日、一番近くのコミュニティストアまで、自転車をこいで行った。MOTHER 2のフィギュア(http://www.1101.com/MOTHER/MOTHER.html#figure)を買いに行ったのである。
しかし、一番近い店でも、三四キロ有ると言う中、買いに行きましたとも。あの土曜日の、燦々とした天気の中に午前中に!そして、着いて、ドリンクス売り場に行ってみた所。「爽・健・美・茶」が残り二本。ボトルの所に赤い袋がぶら下がっている。コカ・コーラが大量にあったが、見向きもせずに、二本買う。買う前に、袋を触って、何か厭な感じはした。しかし、ここで止まっちゃあ仕方ねえみたいに、突進して買った。…見事に撃沈。
私が欲しかったのは、「ネス」とか「ポーラ」とか、「どせいさん」なのである。けして、他の三つ、特に「汚いもの」ではなかったのである。しかし、二つともスターマン。何たる屈辱。いままでこの店で爽健美茶を買った幾多の大馬鹿共が、この二つをうまい具合に取り残したのである!繰り返す、私はけしてスターマンなぞ要らなかった。何たる屈辱。二個、である。一個だけ、そして他方は「ネス」とか(以下略)だったら何の文句もいわぬと思うのである。そして、「汚いもの」ならこの人がこんなに汚い台詞を言うなんて思わなかった、おおお、となるような台詞をのたまいそうな気がするのである。
…負けた。
16:52
§
立秋を明け、お盆も過ぎて、最期とばかりに蝉が鳴りし切っている。ある婦人が、川沿いの堤防の裏の、更地となっている場所を眺めている。
戦争に負けて大分経ち、気の早いやつ等は既に戦争のことを忘れている。区内の開発もほとんどし尽くし、段々と、東京の郊外へと開発の手は拡がって行く。郊外も果ての、田畑曠がるこの土地にすら、時折不動産屋やら、鉄道会社やらが、手をすり、金を見せ、時には法律を手にとって、田畑を潰していく。
そんな中、ある婦人が、川沿いの堤防の裏の、更地となっている場所を眺めている。
<続>
21:55
今日月と火星が寄り添ふを歸りに眺めつ。
珍しく空晴れ渡り、雲僅かなり。東の空を眺むに、丸き月有りけり。北に向ひて月を眺めつ歩き、十五夜前のもちもちと太る月に、火星、その側に明々と居たり。その姿見るに、感極まれるもの有り。余、月の斯程に文樣の鮮やかなるを知れり。
これぞ、秋の夜長のためならん。
22:35
えーと、本日は体育祭でした。私はあんまり、紫外線に対して強くないので、Curel(なぜか具体的)のSPA 25++を幾度となく露出面に塗りたくり体育祭を過ごしました。
…何故焼ける。自分の競技が終わった途端に日陰に駆け込み、その後はほとんど日なたに出なかったと言うのに。何故焼ける。
うー理解できないよう、自分の体が。赤々としてますよ、ええ。顔とかひりひりします。
1.7リットル持っていったお茶を、午前中だけで消費してしまった。くそう。
21:53
婦人の腕には、しっかりと編まれた籐のバッグがあり、そのなかには、これだけの土地を買うには二十分のお金が入っている。若しかしたら、区内でも同じだけの土地を買えるかもしれない。婦人は、歩いてきた農家らしき男に、声をかけた。
「あの、」
「ん、なんだ。」
男は、疲れ切った目をしていたが、見慣れない女の姿を認めると、途端に警戒とも取れる目付きになった。
「あの、この堤防沿いの土地を、いくらか買いたいんですけれども、どなたから買えばよろしいのでしょう。」
「堤防沿いの土地?」
男はより一層警戒心を強めたと見える。
「ええ、店を開くのに丁度良さそうで。」
<続>
21:59
引っ越しましたですよ。光だ光。何十世帯と共同で100M共有(爆
昨日一昨日と、てんやわんやで報告する暇がなかたです。テンションですべてを乗り切ると言う意味がわかった気分。
光はいいけど問題は多い。私は隠したがり屋なので、言えない事の方が多かったりしますけど、一言言いたい。8080ポートをブロックするなー!!
21:53
「店?何の店だ。」
「欠き氷、欠き氷の店を。」
「欠き氷だあ?」
「ええ、夏だけ開く、そういう店にしたいんです。駄菓子屋とか、そういうのではなくて。」
男はじろじろと婦人を眺める。婦人は、少々困惑した面持ちで、立っていた。
「本当に、それを売るんか?」
「え?」
「本当に、欠き氷売るかと聞いたんじゃ。」
「売りますよ、何でそんなことを。」
「よそもんは信用ならね。例えば鉄道会社だ。畑潰して、俺等を追い出そうとしている。」
<続>
22:21
えーと、私、名探偵コナンのファンであります。映画も、ベイカー街以外全て劇場で見ております。
その私が思った感想を徒然と。
第一作。時計仕掛けの摩天楼。この作品が白鳥君の初出だったのですね。テレビシリーズは肌に合わなくて頂いていなかったのですが、最近知りました。コナン君が危険に突っ込んでいく姿がかっこいいです。私には真似できません。事件は…コミックスより、錯乱度が高めと言うところでしょうか、映画としては良かったと思います。
第二作。十四番目の標的。これも錯乱度高め。仕方のないことなのか知らん。(コメント少なっ
第三作。世紀末の魔術師。白鳥君妖面度高し。映画の内容は面白かったのだけれど、そのあと、エリツィン君が、死んだと確認して下さって、興醒め。
第四作。瞳の中の暗殺者。記憶になし。佐藤さんが打たれたらしいのだけれど、何にも覚えていない。ふうむ。
第五作。天国へのカウントダウン。ジンの兄さんが登場して、初っ端から緊張しまくりでした。ダイブしちゃうし。私はこれと、一作目が好き。
第六作。ベイカー街の亡霊。なんだこれは!唯一劇場に行かなかった映画。しかし、ひどい。七作と肩を並べるほど。推理漫画の映画作品を見に来たんだー!と言いたくなる。
第七作。迷宮の十字路。何でこんなタイトルなんだろうね。倉木さんの曲だけ良かった。
23:30
けふ、ますますとほざかるパソコン專門店へいつて、CPUファンを買ひました。親和産業の、SocketA用のもの。31dbださうで。今までのものは、CoolerMasterの製品で、うつかりしたことに、靜電気で羽を折つてしまひまして、それで、買つたのでした。
CoolerMasterの留め金は、中々硬く止めてあつて、外れませんでした。私は力がないので、人の手を借りて、ようやくできました。
さうして、パソコンを點けました。點けた瞬間、その靜かさに、驚きました。今までのものは、ぶおおんといつてから、BIOSの表示がされたものですが、それがありません。感激です。
しかし。外す際、不手際があつたやうで、中々OSが起動しません。W32VXDうんぬんがない、とまでいひだす始末です。それは、再インストールを要するものでしたが、どうにか、いまも、かうやつて、パソコンにむかふ次第です。
23:36
只今、テスト前だと言うのに、なだいなだの「おっちょこちょ医」を読んでおります。愚作「くも」は思いっきりこの本の影響を受けているなあと感じております。
「夏」も、某友人が使った手法の影響を受けています。誰の、そしてどういう風にかは言いませんけれど。「ナツノツヅキ」は覚えてません。受けてるよーな、受けてないよーな。
と言うことです(謎
22:42
斜陽は、もう見えない。野分が行過ぎて、秋の風が辺りを小寒くしている。ふと、上を見上げた。
一群に遅れたかのように、連なる雲々が、落日に照らされて、茜になっている。思わず、息を呑んだ。だだっ広い空の中に連なる、茜差す一連の雲。列なって行く先には、今朝方まで大雨を降らした野分の雲。
急いで家に帰って、カメラを構えたが、時既に遅し、落日は雲さえ照らさなくなっていた。
22:40
テスト期間のため(嘘)、いや、実は、今までストーリーを漠然と考えていたのですが、細かい話を騙し騙しいれて、延ばし延ばしにやってきたものの、終に核心に触れて、動けなくなっていると言うのが悲しい哉、実情です。と言う訳で、続きが思いつくまでお休みと相成る。
22:45
まじですか。この、新聞社とテレビが名前だけ一緒〜と言う雰囲気漂うテレビ朝日が好きだったのに。無駄に派手派手しく、しかし、しっかり報道をしているこの番組が好きだったのに。むー。
01:52
私は、小二のときに初恋をした。秘めたままに終わった。中二のときに二度目の恋をした。日が明けて暮れるより早く萎んだ。
そうして。私は今、高二の、少女から青女へと移り変わる時期だ。大人でも無く、少女でも無く。宙ぶらりんと言っても良いかも分からない。
高一が済んで、高二の始業式に気付いた。そういえば、私は毎学二年次に恋をしている、じゃあ、高二の今は…。そうして、そう思った自分を見て、溜息をついた。
思った途端に縛られる。少なくとも、服とか、体とか、若しかしたら、服の撚り糸迄掴んで、私を付き纏う。猫になるのも、犬になるのも、人間になるのも今まで自由だったのに、こう付き纏われては、もう無理だ。私と言う形を頂いてしまって、猫とも犬とも人間とも違うものになってしまった。こうなってしまった以上、恋をせねばならない。
16:50
ディレンマについての雑考を小説風に。
非常に川上さんの影響を受けてみましたが、いかにも男が書いた小説。まだ「うそばなし」の世界には入れて居ないらしい。
で、本編ですが、ディレンマと言うか、ほとんどですが、意識した途端にハッキリしたものを与えられてしまって、自由でなくなると言う話。最後をあんなに書いたのは、「私を見て溜息をついた。」というので、私が体から離れて上から見下ろすように溜息をついたと言うののこじつけのため。後ろじゃ伏線にならんけど、一応前に「宙ぶらりん」とは書いた。
帰り道に考えていたものを、テスト中と言うことで急いで書いてます。急いで。
16:53
恐ろしく早く終わったテストの余暇に三枚省略画を書いたので、急ぎトレースして、検索だとページングが有効にならないと対策し、宣伝し、今これを書いていて、このあとは、勉強するが良し。ああ急がし。
23:51
――子をこゝにて試す。異議認むベからざれど、幾許の猶予を与へむ。…いざ――
風が一気にざっと吹き抜ける。草の丈が高く伸びた中を通って、草をざわざわ言わせる。その中に、一人と一人、合い向き合って、風を縮こまらせる。風が再び動き出した刹那、一人、さっと駆け飛んで緊迫を破る。飛び上がったままに、一人、刀を振り下ろす。すらりと交して、斬り付ける。ガキンと鋭く響いて、又風を縮こまらせる。命掛けの試験は始まった許りなのである。
23:50
MovableTypeを導入するために色々してます。テストは明後日が最終日です。
…しかし、負荷が恐い。再構築は負荷が重いらしいし…(恐
17:58
karpa、kirias、pcc、全て何ら意味のない語である。(pccは以前意味があったと言う噂あり(お))
しかし、只今暫定公開中のArts Collectionの場合、Artsと言う単語は外せないが、Collectionだとあんまりよろしくない。perlで擬似乱数から擬似亂文字列(謎)を作ってみたが、やはりよろしくない。そういうときは、リーダーズが非常に参考になると思うのだが…。と思って、Collins類語辞典をひいた所、pileと言う名詞が目に入った。…何、積み重ね、…のやま、とな?うむ、面白い。しかし、heapもいい感じである。
投票して下さると助かる。
1.pile of arts
2.heap of arts
コメント欄に番号を入れてくらさい。理由も入れてくれると参考になります。単純に多い者勝ちじゃないので。同一ホストが云々なんて面倒なことはいたしませんのでどうぞ御自由に。
18:36
未来の云々に決まって動画が引き合いにされるのに時代を感じます。いや、昔からそうだなって(ぉぃ
私は動画にそんなに興味はなく、それゆえTVと遠ざかっているのですが、これはひとえに、コナンの質が悪いか(以下略
16:59
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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