論文輪讀、といふのを、たとへばCarter, Harry. A view of early typography up to about 1600; reprinted with an introduction by James Mosley. Hyphen, 2002.とか、柳田征司編『論集日本語研究』第13卷「中世語」、有精堂出版、1980.12とかを使つてしてみたい;つまり(といふほどでもないが)、年の近い同業者がゐないだらうかといふことなのだが、まだ白川靜の墓を探すはうが樂なやうにおもへる。
23:55
いまiBookを24hつけつぱなしにして、畫面だけ切るやうにしてゐるのだが、何囘か畫面スリープをくりかへすとマウスポインタが消えるといふトラブルがつづけて起きてゐるので、不便である。
22:44
iBookの不調に手間取つて時間が時間なので、活字的におもしろいものもあるが、記録のみ。
西尾光一校註『撰集抄』岩波書店〈岩波文庫〉、1970.1。
川口久雄校訂『梅澤本古本説話集』岩波書店〈岩波文庫〉、1955.4。
山田孝雄校訂『方丈記』岩波書店〈岩波文庫〉、1928.10。
玉井幸助校訂『問はず語り』岩波書店〈岩波文庫〉、1968.8。
喜多義勇校訂『蜻蛉日記』岩波書店〈岩波文庫〉、1942.10。
『目録』東京美術倶樂部、1940.11。内題『某大家藏品入札』。
小池和夫『異体字の世界 旧字・俗字・略字の漢字百科』河出書房新社〈河出文庫〉、2007.7。いただきもの。
23:55
母校の文化祭にいく。卒業學年の後輩を現所屬にさそふことには失敗したが(すれちがつた)、ひさびさにあへたひとが多く、なにより、去年は訪ねられなかつた擔任に挨拶ができたので、目的達成(ただ、部活の元顧問にはひとりとして挨拶ができなかつたのは心のこりである)。
そのあとは、OG・OBと食事にいつたが、結局、けふはじめてお目にかかつた方々がなんといふのか知ることはなかつた。2店ともわりにあはない金額であつたやうにおもふのは、私がけちだからか。
23:55
もしエジプトの壁畫がその畫家にとつてリアリスティックの極致であるならば、鳥居清長のリアルの境地はどのやうな世界だつたのか。
シャガール展と江戸のヴィーナス展(Venus in EdoよりVenus of Edoのはうが正しいだらうとはおもふものの)のポスターをならべてながめると、どちらも胴長足長の體が長すぎるひとびとであるのは、偶然なのか。
23:55
Oxford DNBをみてゐて、ふと著作權ページを見ると、
You must not circulate this book in any other bindings or cover and you must impose this same condition on any acquirer
とあるのになんの意味が、と感じる。
Boxer, C. R. The Christian Century in Japan 1549-1650. Manchester: Carcanet, 1993, reprint ed.
をかりた。
23:55
圖書館に行つてみると、ScopusとJapan Knowledgeの講習を入り口のそばでしてゐて、歐文論文よりかは和文論文に接することの多い私には、Scopusは魅力的ではないのだが(といふかGoogle Scholar or CiNiiのはうが氣樂だ)、Japan Knowledgeの東洋文庫全ページPDFはいつか有用につかひたいものだとおもふのだが、(講習で)だれも聽く人がゐなかつたのは、圖書館の責だけではあるまい。もちろん、學生はそこまで學術的な情報を電子的にあつかふのに慣れてゐないこともあるのだらうが、それは、教員とて同じであるから實際に學生に教授がいきとどかないといふこともあるのだらう。4年生にもなつてレジュメの文獻表示の形式の不備を指摘される學生もゐるのである。若い人間はコンピュータになれてゐるといはれがちであるが、學術情報の電子的利用は、いまだしとおもはされることも少なからず、道具としてのあつかひに熟達してゐるとはいひがたいやうにおもはれ、そこに、携帶端末のひくい擴張性に却つてとつてかはられてしまふ現状が見いだせるのではないかとおもふ。
23:55
月曜2限のためのレポートを、英語で執筆中。題目は、"An Usage of Noun Derived from Continuative Form"。日本語を横書きにしたくないといふ理由なのだが、よくよくおもへば、日本語學のゼミのレポートで、何語を使ふとも、日本語が出てこないことはないのであつた。教員が讀むかどうかであるが、私より英語がよめないといふことはないとおもふので、氣にしない。意味不明の英文で讀めないといふ可能性も氣にしない。
レポートはこの3連休中におはらしたいものだ。
23:55
前略な興味から、
ジェームズ・T・キーティング『ネイティブチェックが自分でできる英語正誤用例事典』ジャパン・タイムス、2000.9。
を借りてみた。虎の卷にはならないが、現代米語のいひかたが端的にでてゐるやうでおもしろい。indexやappendixの複數形は-cesとすると習つてゐたやうにおもふので、このまへ何か英語の本を見てappendixesとあつたのを、典型的なあやまりをも犯すのだなとみてゐたのだつたが、けふこの本を見たら、今日では推獎されないといふ (p. 105)。あまつさへ「正しくない」といふ (p. xiii)。リストの一部で、これをながめる限り、單に古形にすぎぬから、使ふべきでないと原文にはあつたのでないかと思料するのだが、國や船に女性代名詞はつかふな (p. 299) など、まさに時代を感じさせるものであらう。
23:55
通辭ロドリゲスは日本語の辯舌に長け家康などの權力者にも愛されたといはれるが、母語であるはずのポルトガル語には深いコンプレックスを負つてゐたこともまたしられてゐる。土井忠生が解説で原文に意圖を解しかねたところがおほいと述べるが、かれは、ポルトガルの片田舍からうまれきて、そのままだからだ、と云つてゐる。それを、我が口をして事實を語らしめよとばかりに書き續けたやうなのである。そこには國語の深い呪縛がすでにあつて、おそらくそれは、彼の日本文典を讀むわれわれにもおよんでゐるのだらう。それが讀み手にある國語の呪縛とどのやうに呼應するかは、人次第であらうが。
印刷の條をみたが、日歐文化比較とほとんど同じことを述べてゐるやうである。木活字も金屬活字も古くからあるやうな書きぶりだな、と感じた。
問題意識が定まらないと文獻調査をしてゐてもゆさぶられるばかりである、と生活費よりもコピー費を優先させながら考へた。
中村征宏『文字をつくる』新技法シリーズ、美術出版社、1977.4。
をかりる。
23:56
昨日コピーして讀んでゐなかつた論文の英文要旨をみてみたのだが、あんまりな書き方なのでおもはず赤をいれてしまつた。某大の博士課程の國文學科の學生が論文を出す紀要なのだが、英文で要旨を出すべきだ、と上からおしつけられたなら、その質を保つために必要な査讀の過程をつくるお金ももらへばよかつたのに、とおもつた。
しかし日本語で要旨を書いたら大丈夫かといふと、さうとはおもへなかつたので、そこから訓練が必要なのかもしれないが、そもそも要旨が必要なのかといふと、要旨抄録をCiNiiが人文系にたいしてもはじめてゐるので、それで讀者が發生することはまあ期待できなくもないのか、と考へた。
23:55
ラテン語の講義をひさびさに覗いてみたらだれもゐない。もしかしてテスト終つてた?
amazon.comで五月のあたまに註文をだしていまだに來ない古本の確認を出品元にしたら、「amazon.comの船便はamazon.comの管轄で私らにはわからなくて、さらに、場合によつては12週間かかるんです、12週間してまだこなかつたらまたご連絡ください」といはれた。……まあ、確認しないよりは。
amazon.co.jpからとどいたもの。
Debussy, Claude. Complete Piano Music: Volume 2. Haas, Werner, piano, Noël Lee, piano. Philips, 1993.
青山剛昌『名探偵コナン』第58卷、小學館、2007.7。
なんとなく借りた。
Martin, Samuel E. A Reference Grammar of Japanese. Rutland: Tuttle, 1988.
23:09
DoCoMo 2.0といひ、CMがやたら俗つぽいNTT DoCoMoですが、アクセス制限サービスのCMでもまた俗なイメージをばらまいてゐます。
CMはウェブでは配信されてゐないやうですが、暗い顏をした數人の子供の目が大人のものらしき手によつておほわれ、最後に目隱しがはずされると、そこには目を輝かした少年が父親らしき男性の腕にまもられて野原に寢轉がり夜空をみあげる、といふものでした。
まづ、アクセス制限がめざすものとCMで展開されてゐたイメージとの乖離があげられます。(子供が暗い顏をしてゐるなら目を隱すより抱きしめてやれ、といふのはさて措き、)大人が見せたくないとおもふものを子供が見に行かうとするのを防ぐサービスであるため、すでに見てしまつたものはとりかへせません。また、アクセス制限は、見ておくべきものに手を伸ばす切缺にはなりえないものです。
しかし、かう批判するのもなんだかむなしい。俗さは批判を高踏的なものにしてむなしくせしむるのか。しかし、おなじ俗は俗でも、auの親莫迦の一環としての有害サイトブロックと比較して不滿をおぼえるのは、NTT DoCoMoのそれは、既成のものに安易に立脚して、といふより親父ギャクなみのくだらなさで既成のものを引用してゐるからではないか、とおもふのです。
23:55
私の感覺では駄目なときと大丈夫なときにわかれる、たとへば「彼はナウいです」などの形容詞に「です」をつなげるものは、主語を明確にせよといふ教育に影響されたのではないかと考へてみたので書くのだが、たぶん、調べればもつと精緻な論がすすめられてゐるだらう。
23:55
大先生、と念じつつ研究史の整理です。ひさしぶりに『きりしたん版の研究』をみて、どちり(い)なの表紙はこんななのか、と感動するのは、いちわうの成果なのでせう。
「この資料に全部書いてあるから」といふことで出されたレポートなのですが、説明を聞く限りレポートを書く價値がわかりません。臺北から歸つてかんがへます。
けふの借り物。
天理圖書館『きりしたん版の研究』天理: 天理大學出版部〈參考資料〉、1973.1。
富永牧太『きりしたん版文字攷』天理: 富永牧太先生論文集刊行會、1968.4。
Boxer, C.R. The Christian Century in Japan 1549–1650. Aspect of Portugal. 1951. Manchester: Carcanet, 1993.
藪田貫『日本近世史の可能性』校倉書房、2005.7。多少日本語學・日本文學について失禮な文辭もみうけられたけれども、全體的に刺戟的でとてもよい論文集であらうとおもふ。
23:55
outosに必要以上に悩まされたのではないかと感じる。
池澤夏樹『静かな大地』朝日新聞社〈朝日文庫〉、2007.6。『ギリ』よりぶあつい。年表をみて買つてしまつたとかなんとか。なんで高橋源一郎が解説をものしてゐるのだらう。
23:55
『十六夜日記』を讀んでゐたら、作の阿佛尼は慶政のもとにゐたことがあるらしい。閑居友現存最古本は傳爲相筆で、爲相は阿佛尼の子であるのだが、爲相のものとは認めがたいのだらうか、新大系本では觸れてゐない。關係があつたかのやうにおもふのは短絡的だらうか。
買物。
玉井幸之助校訂『十六夜日記附阿佛仮名諷誦・阿佛東くだり』岩波書店、1934.3。
佐佐木信綱校訂『新訂山家集』岩波文庫、1928.10。1956.10なる加筆あり。
23:55
のつもりなのだが、厄介なレポートがおはつてゐないといふ大問題。
菊池康人『敬語再入門』丸善ライブラリー、丸善、1996.8。
小林健男『I社事件を教材とした利益供與禁止違反をめぐる會社役職員の責任と監査役の措置』総有会、1985.3。本の題に古印らしき隷書らしき活字をつかつてゐるのが物珍しくて購入。ひらがなも記憶にないので明日しらべてみよう。
23:55
うなりながらよふかししながらものを書いてゐるからですたぶん。
けふはひさしぶりに洋服をかひにまゐりました。ウィキマニアはどれくらゐフォーマルにすればいいのだらう。スーツでもないだらうけれど、Tシャツははばかられる、くらゐのもの? でもRMS御大はケンブリッジの寫眞でTシャツだつた氣が……。
丸山珠代が當選して厭がる聲が反都知事方面からきこえてきたのですが、津田沼にも都知事は一囘おいでになつたさうで、その日の夕方に驛に行つたらひとだらけでした。しかし當選はひとりとのことで(だれを應援しにきたのだらう?)、それとこれとはべつ、なのでせうか。
疎かにしてはならないといふ意味でのみ、他人は莫迦にしてはならないのだとすれば、いまの總理大臣は莫迦か否か。
23:55
8月2日から6日にかけて、臺北市に行つてまゐります。バイト先の新入社員にお茶のお土産を所望されました。ずぶといことは(私のやうな贈物下手には)わるくないとおもひます。
昨日、『オトナ語の謎。』(ほぼ日刊イトイ新聞編、新潮文庫、新潮社、2003.4)が資料になるのではとおもひつきみてみたら、それなりにあつた。語釋つきなのでありがたい。『一冊の本』第12卷第8號(朝日新聞社)とどくも、金井はいまだ復歸せず。體調がわるいのか?
あしたは4か月ぶりに髮を切ります。どのくらゐ切らうかな。
23:55
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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