デトックスが分りにくければ,體内環境正常化でもなんでもいいけれど,樹液シートといひ,なんとか健康水といひ,世にじぶんのからだが穢れてゐるといふ發想があふれてゐるのは,じつは,おどろきにあたひすることぢゃあないか。健康・美容業界における「ごっそり」なんて,ある意味,最たるものであるやうに思はれる。「すっきり」を越えてゐる。
古來かういふことがなかった,などと思ってゐるのではなく,いくらでもあったらうと思ふ。古來に體内の不淨を改善するものがあったとは知らないのだけれど(からだをきれいにする藥草って知らないな),精神的な面について言へば,日常的にけがれを落とさうとしてきたわけだし,日本佛教や神道は,いくぶん,清淨をもたらすものとして社會的に機能してきたきらひがある。
だから,體内がけがれてゐるといふ發想は,單に,人間が現代になって體内があるってことに氣づいたから起きたのではないかといふ氣がする。腸洗淨とか,樹液シートとか,いはゆる「ごっそり」系除去シリーズといふのは,健康グッズといふよりは,けがれおとしに見えてしかたがないのだ。
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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