Diary/ + PCC + — HIMAJIN NI AI WO. Love Idle

2003年9月11日(木)

夏(38)

婦人の腕には、しっかりと編まれた籐のバッグがあり、そのなかには、これだけの土地を買うには二十分のお金が入っている。若しかしたら、区内でも同じだけの土地を買えるかもしれない。婦人は、歩いてきた農家らしき男に、声をかけた。
「あの、」
「ん、なんだ。」
 男は、疲れ切った目をしていたが、見慣れない女の姿を認めると、途端に警戒とも取れる目付きになった。
「あの、この堤防沿いの土地を、いくらか買いたいんですけれども、どなたから買えばよろしいのでしょう。」
「堤防沿いの土地?」
 男はより一層警戒心を強めたと見える。
「ええ、店を開くのに丁度良さそうで。」

<続>

21:59

a(半角)と入れてください。
 
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