――子をこゝにて試す。異議認むベからざれど、幾許の猶予を与へむ。…いざ――
風が一気にざっと吹き抜ける。草の丈が高く伸びた中を通って、草をざわざわ言わせる。その中に、一人と一人、合い向き合って、風を縮こまらせる。風が再び動き出した刹那、一人、さっと駆け飛んで緊迫を破る。飛び上がったままに、一人、刀を振り下ろす。すらりと交して、斬り付ける。ガキンと鋭く響いて、又風を縮こまらせる。命掛けの試験は始まった許りなのである。
23:50
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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