今日、大枚をはたいて上記二巻を買った。まず沈黙を読了したのでその感想を。
この作品を読んでいて、ロドリゴとキチジローの辿った道の如何にキリストとユダに重ねられているかを思った。私は以前書いた通りに、非キリスタンであり、一応無宗教者である、しかし、この作品を読んでいると、まざまざと、聖書の一場面を突きつけられた気分になる。この作品で私が一番気にかかったのは、ロドリゴよりキチジローであった。自らの弱さに負け、ロドリゴらを「売った」人物である。しかし、ロドリゴを最後まで追ったのもキチジローであるのだ。そのおかしみを、私はいやというほどに感じた。
最後に新潮社へ一言。出版社には改変権は有るべきでないと思いますが如何。解説中に有ったという記述のあるあとがきはどこに行ってしまったか非常に気になります。
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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