Diary/ + PCC + — HIMAJIN NI AI WO. Love Idle

2003年8月5日(火)

夏(3)

老婦人は、思い出そうとすれば、その日はどんな日だったか、どんな客が来たか、そこまでしっかりと思い出すことが出来る。だが、そこまでの記憶力を持っていたっていなくたって、この客を記憶に留めておいたのは、この店の主人が矢張りこの老婦人であるからだった。

あの日はどんな日だっただろう。婦人の言葉を借りるには、「空から大粒の雨がざあざあと降る、とてもやとても、店に客が来ない日」だった。その日来た客は、晴れた日の四分の一もなかった。

§

ざあざあと雨が降り続いて、店の主人はとても暇だった。店を開いて十数年、毎年夏にだけ開く店で、晴れの日は大分繁盛して、店をやっていくのに十分な利益は得られた。しかし、雨の日ともなると、一気に閑散として、雨を眺めるしかなかった。主人は別に家を持っていて、店には、商品の、欠き氷と飲み物しか売らないので、壁と屋根しかない簡素な建物であったからだ。

<続>

21:56

  • さあ続くか終わるか!? (kzhrさん) 03 8/5 21:56
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