「ええ。」
と答える様は、爽やかな好青年そのものだった。しかし、婦人には、初めて見たときに決定されてしまった、この客への固定観念で、何かしでかすのに違いないと決めつけていた。あの客に話しかけつつも、警戒を止めない。少しでも変な動きをすれば、捕まえてやる――。
客はさっきまでのペースががらりと変わり、ゆっくりになった。さすがに婦人も、本当に何かしでかすのかと、不安に思い出した。
<続>
22:09
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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