池澤夏樹の作品に、一種の「召命」にためらふひとびとといふ作品の系列があるやうに思ふ。そのひとつが初期の「帰ってきた男」(『文學界』1990.4)であり、このまへの『星に降る雪/修道院』(角川、2008)もそれに列ならう。
それで、けふ、「帰ってきた男」が收録された『マリコ/マリキータ』を讀みかへしたのだが、そのなかで、「アップリンク」(『文學界』1988.3)に興味が引かれた。最初に讀んだときは、大地の神にまれびとが目ぐはつて云々といふはなしだと思つてゐたのだが、「召命」作品と對照してどうなんだらう。『マシアス・ギリの失脚』(新潮社、1993)は?
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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