この横文[S.P. FRÃNCISCUS XAVERIUS SOCIETATISV]の下には更に萬葉假名を以て聖人禮讚の文句を唐樣めきたる草書にて黄色の地の上に美はしく書けり。林若吉氏は昨年中この圖の寫眞[フランシスコ・シャヴィエル繪像]を一見して早くも之を左の如く讀み試みて、その由を豫輩に報ぜられたり。
瑳夫、羅怒、青周、呼山、別論、麽、搓、可羅、綿都。
即ち「瑳夫羅怒青周呼」は、サンフランシスコの音譯字にして、「山別論」はサベリオに當り、「搓可羅綿都」はサカラメントと讀むべしとなり。唯「麽」の一字は、葡語の語尾としては相應せず日本の弖爾波のモと讀みても通じ難し。……落款には「漁夫、環」とあり。……その下の壺印は「耶省」の二字ならんと亦林氏の説なり。
丁度掲げてある寫眞によるかぎり、「搓」は「瑳」でよからう。「綿都」は上記翻刻では連續してゐるやうに見えるが、實際は行が別れてゐる。落款2行目を「環」といふが、下にもう1字あつて「山」や「公」くらゐに見える。「麽」については、よくわからない。最新の學説はあるのかな。
03:54
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
DiaryMaker1.02b
Script written by れん©
Mail me for annul@karpan.net
annulをkzhrに@の後ろにmail.をつけてください。
著作權で保護されてゐる著作物は著作權者の許可なく、私的な範圍を超えた複製をしてはなりません。
Copyright some right reserved.
この日記のKzhrの作品については、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(by-sa 日本)
の下でライセンスされています。