新村出に數編の研究あり。新村は天草版に憑かれたによつていろいろとものしてゐる。なほ、繪卷物があつたが外國に流れたといふ(「西洋文學翻譯の嚆矢」)。民末漢譯が日本にも入つてきてゐるだらうとのはなしもあるさうである(禁教輸入禁止書目にあるとの由)(「伊曾保物語の漢譯」)。福島邦道『キリシタン資料と国語研究』に天草本と古活字・整版本系との關係についてすこし書いてある。
なほ、伊曾保と同綴の平家の物語の表紙繪には、獅子が描かれてゐるが、しかし畫工に智慧なきゆゑに獅子にならで犬になつてしまつたとのことである。
日本でわかりやすく、といふよりも、禁教下で販賣するためには西洋色の脱色が當然されねばならなかつたが、どのやうな經路を經たのかは想像すらできない。
22:55
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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