2007年10月23日(火)
さて、第2囘。ここでは、錯簡たる目録をただしい位置にして、目録から第一までをすすめる。目録は底本では最後に綴ぢられてゐるが、目録末尾に「第一 どちりいな」とあること、どちりいなの章にはこれがないこと、同内容ローマ字本では目録が序の後ろについてゐることが錯簡とされる理由である。しかし、丁數によれば、序から本文へは數字が連續してをり難點である。なほ、目録のところの版心にはただ「目録」とだけある。
目録
第一 どちりいな
第二 きりしたんのしるしとなる貴きくるすの事
第三 はあてるなうすてるの事
第四 あべまりあの事
第五 さるべれじなの事
第六 けれゑどの事○付○ひいですのあるちいごの事
第七 でうすの御おきての十のまだめんとの事
第八九 御母さんたゑけれじやの御おきての事
第十 七の」もるたる科の事」(目録オ)
第十一 さんたゑけれじやの七のさからめんとの事
第十二 此別きりしたんにあたる肝要の條々
〔入力者云、有ヴィニェット。〕
第一どちりいな」(目録ウ)
師
きりしたんの御おきては眞實の御教へなればきりしたんになる者は其いはれを聽聞する事肝要也其御おきての事を聞れけるや
弟
†かてきずもを聽聞して道りのひかりを蒙りきりしたんになる者也
師
分別せられける事はいかん
弟
分別せし事おほき也
師
其むね悉くいはるゝに及はずたゝ其御分別のほどをしる爲に第一肝要のだいもくを申されよ
弟
一にはなき所より天地をあらせ玉ふ御作者でうすは御一體のみにて在ます也○是即我等が現世後世共にはからひ玉ふ御主也○此御」(三オ)一體をおがみたつとひ奉らずしては後生の御たすけにあづかる事さらになし又此後生の道はきりしたんの御おきてのみにきはまる也それによてきりしたんにならずんば後生を扶事有へからずと分別しぬ
師
人間の事をば何と分別せられけるぞ
弟
人間は色身斗にあらずはつる事なしなきあにまを持也○此あにまは色身に命を與へたとひ色身は土はいとなると云とも此あにまはをはる事なしたゝ善惡に隨て後生のくらくにあづかる者也
師
よく分別せられたり†かてきずもの談儀のことはりより別にもきりしたんの知」(三ウ)ずして叶はざる事おほき也
弟
其儀をうけ給ればこそ御教化にあづかりたきとぞんずるなれ
師
是我等がねがふ所也○まづきりしたんにならるゝ事はいかなる人のしはざとかしれるや
弟
でうすのがらさを以きりしたんになる也
師
でうすのがらさをもてとは何事ぞや
弟
其儀をこまかに分別せずねがはくは教へたまへかし
師
でうすのからさを以とは我身父母御作のものゝ力にあらずたゝでうすの†御ぼんだあでと御慈悲と又御主ぜずきりしとの御功力を以きりしたんに成事也」(四オ)
弟
人々きりしたんにならるゝ時は何たる位をうけらるゝぞ
師
†へんさんの子でうすの御やうし天の御ゆづりをうけ奉る身と成者也其故は†ばうちずもをさづかる人々を此位にあげたまはんとおほしめすによて也
弟
きりしたんにあらざる人はいかん
師
†ばうちずもをさづからざるによて御やうしとなしたまはず天の御ゆづりをはなし玉ふ者也
弟
きりしたんとは何事ぞや
師
御主ぜずきりしとの御教へを心中にひいですにうくるのみならずことばを以てもあらはす人也」(四ウ)
弟
何の故にか御あるじぜずきりしとの御教へをひいですにうけことばを以てあらはす人とはいはれけるぞ
師
諸のきりしたん御主†ぜずきりしとの貴き御事を心中にひいですにうけずしてかなはぬのみならず死すると云ともことばにも身持にもあらはすへきとのかくごある事專也
弟
きりしたんと云は何をかたどりたる名ぞや
師
†きりしとをかたどり奉也
弟
きりしとゝはいかなる御あるじにてましますぞ
師
實のでうす實の人にて御座ます也」(五オ)
弟
實のでうすにて御座ますとは何事ぞや
師
萬事叶玉ふでうすはあてれの眞の御ひとりごにてまします也
弟
眞の人にてましますとはいかん
師
貴きびるぜんだうみなさんたまりあの眞の御ひとりごにてまします也それによてでうすにてまします御所は天にをひて御母を持たまはぬごとく人にてまします御所も地にをひては御父を持たまはぬ也
弟
何によてかきりしとゝはとなへ奉ぞ
師
きりしとゝは貴き†をゝれよをぬられ玉ふと云心也そのかみ帝王†させるだうて†ほろへゑた此三樣の人貴きおゝれよをぬられた」(五ウ)まひし也御主ぜずきりしと人にて御座ます御所は帝王の中の帝王させるだうての中のさせるだうてほろへゑたの中のほろへゑたにてましますによてくだんのゝれよのかはりにすひりつさんとのがらさをみちみちて持玉ふによてへあとと唱へ奉也
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め (中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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