金井美恵子の『一冊の本』(朝日新聞社)の2006年1月号の聯載を見てゐて知つたのだが、皇族はいまだに自尊敬語を遣ふらしい。何日か前に皇后の書いた文章を集めた本の広告が新聞に載っていて、広告中に皇后の文章の一部が引用されているのだが、そもそも皇后の書いた文章など読んだことがなかったので、「ご成婚の日のお馬車」という書き方に面喰った
といふのである。金井はそれをこれを眼にするかぎり、皇室は敬語の乱れの一因
ではないかと述べるが(何せ昭和天皇の研究を集めた本の書評を新聞に書いていた東大教授の山内昌之の文章が、ごく洗練されない敬語(当然のことだろう)を四苦八苦して使用して醜悪
であるのが皇室の周縁である(らしい))、それよりも、氣にすべきは自尊敬語を未だに使つてゐることである。いま皇族の地位として承認されてゐる〈象徴〉といふ地位は、はたしてその〈象徴〉するところの屬民への優越をも含んでゐるだらうか? 亂れの原因も問題かもしれないけれど(でも皇室ファンがこれで自尊敬語を使ふやうになるとは思はれないが)。
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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