某麻生子の件にて。日本も「帝國」――皇帝を戴くといふ意味においてでなくて「多民族國家」であるといふ意味で――であつたことを、簡單に忘れてしまつてよいのか、といふこと。もちろん、現在は一民族と考へて、何の違和も覺えないでゐられるのも事實であるが、ただの捉へ方の問題ともいへる。まいて、昔から今迄ずつとさうであつたかのやうな、あつけらかんとしたものには、暢氣すぎる輩が多いとはいへ、厭なものを感じる。
23:09
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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