そもそも、「い」が三つも竝び、「み」は「mi」なのであるから、4つも同じ母音が續くといふのが耐えられない。「よい意味」と讀むのであればまだよいものだが、「iiimi」、字面だけでも氣持ちがわるいではないか。しかも、「いいいみ」だと、アクセントが平板でなほ氣色惡い。「いい意味」といふのが、「意味」の意味上適當な使ひ方かどうか判斷する餘裕もなく、「いい意味」と聞くたびにむずむずするのであつた。
19:26
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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