全てのものは無價値、なのではなくて、ああでもないかうでもないの結果どれにも價値を認めなくなる。評價を禁止する。否定を禁止する。ただ肯定するのみ。どれもそのまま受け入れようとすること。どれも、などと分割することは出來ない。あるものをあるがまま受け入れるこころみ。
事實は小説より奇なりなどと格好をつけても。見えることしかわからない。見えないものはわからない。小説の世界を現實の世界と比べることはしようのないことだし、小説の世界で起きたことのほうが奇である人間のどんなに多いことか(ドン・キホーテといふ存在の唯一性。どんな意味においてもある物語そのものである「現實的」な存在とは?)。
ああ、またやつてしまふ。なぜ多彩な「小説」や「現實」を一つの言葉にくくることができるのか? その言葉にもれていつたものは? 付け加へられた餘計なものは?
かうして思考は沈默へと進み試行は失敗裡に終る。
18:11
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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