川上弘美は「クマー」よりもあの讀んでるときに覺えるくねくね感がたまらないので讀むのであるが、さういふ觀點において、本作は秀作であると云つてよいのではなからうか、と思ふのである。しかし、登場人物がみな文學方面に博學なのが趣味を反映してゐるものなのかよくわからないが、色々讀んでるなあと思ふ。さて、中身、なのだが。いざ讀み終はり、感想など書かんと思ひて、讀んでゐる間に作り上げた記憶を鑑賞すると、江戸翠は「私と同じく」高校生なのだよなあと思ひ至る(思ひ致す、といふのは川上弘美獨特の云ひ囘しだらうか)。さうすると、私は、この年の男の常に倣つて對應する術を失ふのである。どうか、思ひ致したまへ。
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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