図書館で借りた、池澤夏樹『花を運ぶ少女妹』(ISBN 4-16-318770-7、文藝春秋、東京)を讀み了る。激しい自己嫌悪の言葉の群れを乘切れば、落著いて振り返ることもできるもの。美・意味・小説の構成などを考へる。
ウィキペディアで懸念の削除依頼を見る。ツァッフィーノの話だ。なんだか、よくわからなくなつてゐる。ドイツで認められた著作物ならば日本で認められない道理はないと思ふのだが、二人の會話が何を意識しているのかつかめない。日本の著作權法? でも、ヘルマンが日本でフォントを發表するとは考へられないし、アメリカとしてもできる限りの保護は掛けるはず(苦勞してでもそれだけの價値がある)。jaは最低アメリカと日本の著作權を考へないとならないのは共有された考へであると思はれる。たゞ、ドイツで發表されたのであれば、この兩國はフォントに著作權は結局認めてゐないから(アメリカはデジタライズしなければ著作權は發生するらしいが、ツァッフィーノはデジタルだからこそ成り立つフォントだ)、ドイツでいくら著作物として認められてゐてもこの兩國では保護されないのか? よくわからん。それはともかく、Koba-chanさんのコメントにあつたFontforgeのマニュアルの和譯を見る(Koba-chanさんはFontForge はビットマップ画像を元にアウトラインフォントを作成するソフトウェアです。
と説明してゐたが、さうなのだらうか。個人的にはTTEditみたいなもののオープンソースのバージョンだと考へてゐたのだが)。Winny the Poohからの引用がある。警句がある。
フォントデザインは罠になることもありますが、かなり楽しいものであることを私は知っています。警告しますた。
…あれ。警告しますた? 狐につまゝれる。原文を見る。
Font design can be a Trap, but I find it a rather pleasant one. Caveat utor.
"Caveat utor"つて何語だらう、と思ふ。手許の辭典を引く。リーダーズ英和第2版によれば、Caveatは警告、utorはなくて、Googleで檢索すると、utor 使用する・用いる.
と説明するページを見附ける。ラテン語か。おほよそ、警告を發しましたといふところであらう。慣用句として用ゐられていく。日本語はここで平安からの語彙(或いは漢文語)を用ゐないであらうな、と頭をよぎらす。……長い前置きはこれくらゐにして、要するに、typoなのか、わざとなのか見極めが著かないのでかうも長く論じたが、どうやらtypoであるらしい、といふことなのであつた。良かつたよかつた。
23:26
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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