科博(国立科学博物館)の特別展、「江戸大博覧会モノづくり日本」に行ってきた。今日は徒然に感想を綴ってみよう。
今日は行楽陽気で実に快適であった。
で、中に入るわけだが、一番最初からどどーんという感じだった。まず、緻密である。その生き物を小さくして、そのまま鋳型にしたような、そういう緻密である、もちろんそんなことができるわけはないが。
少し入ってからくりの実演があった。普段は隠されて見えない部分も今なら大公開…なんて、なかなか機会がないから、食い入ってみてみる。からくりを知るのは痛快であるが、やはりなんだか寂しい気もする。文字書き人形と綾渡り人形とがあったのだが、文字書きの原理を知ったときは少し幻滅した。書くわけでないが、わくわくした気持ちを奪われる感じがしなくも無い。
次に目を見張ったのは伊能忠敬のものとされる測量具である。あんなもので測っていたのかと思うと少々わくわくする。やたら、大きいのだよ。あれを、持ち歩くとしたら、多分分解せねばならないだろう。あれほど大きいのだから。分解したら、どういう風になるかもすこぶる気になった。そして、後ろには、大図だか、中図だかは分からないが、彼の測量した地図が有った。
その次は和算だった。問題が四つ有って、小学生から上級まで有った。私があの場で解けたのは小学生向けだけであった。その下には塵劫記など貴重な和算文献や算木があった。特に算木は六次式が解けるなどその高度さが窺えるものであった。具体的な式は、メモをしていなかったから分からないが、なんかもうすごかった。訳分からん、ははは状態である。
その次に有ったのは解剖であった。やたら正確な木の骨など有ったが飛ばしたくなるようなものが無かったわけでもないのでろくに見ていない。ただ、そのやたら正確な木の骨―奥田木骨だったか―は、全身宙吊りで、コナンの某作品を思い出したのは秘密。
次は地下三階に下って、まず有ったのはスチームロコモーション…すなわち機関車の模型など幕末関連のものだった。今も現存するようなのと比べてだいぶ簡単な作りだった。またカメラも有った。カメラは随分と奥行きが有った。なんでも、フォーカス合わせに、レンズを寸胴状に前後させたという。創生期の日本のカメラがこれなのだろう。写真ファン(?)としては、随分興味深かった。
次は図鑑だった。精細かつ色鮮やかで、なかなかの見ものだった。鳥の羽なども附属した図鑑や、外来の鳥等…やけに太かったり細かったりしたが―駱駝(Kameer=オランダ語)の絵があったが、首が折れそうなくらい細かった―浮世絵みたいでもあった。龍の骨と称する化石…象の化石も有った。その隣には、それに関する漢詩まであった。見ても分からないけど。
その次は織物であった。文様豊かであった。扇風機も有ったのだが、団扇を一周させたもので、間違いなく扇風機だったのが微笑を誘った。
最後は精錬であった。もうここはすごいの一言に尽きる。わけがわからない。やたら技術が高いらしい。現在より精度のいい鏡に、小判の鋳造、溶接技術など…たぶん一回いっただけではわかった気にもなれないだろうと思う。それほど歴史が有り深淵なのだ…と思う。
古地図が展覧の出口に販売してあったが、一番安いので九百円もする上、一番安いのが印刷が良好でないから、止めた。止めかたが、後悔しないだろうからというのは今でも疑問符がつく。
とにかく、面白い展示では有った。一度行く価値ありである。
13:53
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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