「序」
我は
風の橋を渡り、雲の島を巡り、
雨の峠を潛(くゞ)り、空(そら)の池を泳ひで、
虚に馮り、流に御す。
然り、風に乘り、
野を驅くること、即ち、
一つと成りぬれば、
只空(くう)を舞ふと成りき。
夢に落ち、目を深く閉ぢ居て、
我と
たゞむれに遊ぶるなれば、
我が夢園を開きて、
巡り巡ること、望みあれ。
己の
性にとうと氣付き、
全てを空(くう)と
成したく願(ねご)うと、
それば過日の願ひにて、
今氣付うた爲の物に非ず。
行くなれば、
去るべし。
行かぬなれば、
留まるべし。
選ぶも捨てるも、
遊ぶも見るも、
全ては己が
願ひにあらう。
「壹」
全てを吐き、
全てを捨て、
いくら恥ぢとも、
眞に裸となりて、
全てを無いものとし、
さうして新しいものとして、
我があれば
どれほど良からう。
「貳」
何も纒はず、
何も厭はず、
何も氣にせず、
何も考へず。
「參」
全ての力を拔き、
思ひ出の一枝を折つて、
遠くに投げる。
21:45
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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