以前所詮刑罰は見せしめです、と書きましたけれど、被害者が判決に對して言はれる、「死んだ人の命に對して輕すぎる」と言ふ言葉は、一體どう解釋してみるといゝのでせう。
命の重さはけして、人を叩いたり、命を同じやうに奪へば濟む、そんなものではないでせう。本當は、クローンの是非と同列に扱ふべきなのです。それなのに、感情論を持ち出すのは、どこやらか、をかしい氣がしてなりません。
本當の、償ひとは何なのでせうか。
22:03
——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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