Diary/ + PCC + — HIMAJIN NI AI WO. Love Idle

2005年11月28日(月)

いにしへなるすみだがは

更級日記に、隅田川を渉つて相模國(!)へ行く場面がある。

野山、蘆荻のなかを分くるよりほかのことなくて、武藏と相模との中にゐてあすだ河といふ。在五中將の「いざこと問はむ」とよみけるわたりなり。中將の集にはすみだ河とあり。舟にて渡りぬれば、相模の國になりぬ。

解説にあるとほり、特に上京の旅日記は、地理の前後のしている所がはなはだ多いので、岩波文庫本で9ページにある太井川の段と、竹芝寺の段の間にないのも、しかたがないのかもしれない。しかし、註に、隅田河を「すだ川」と書いたものがあるので、「あすだ河」も隅田河のことであろうとだけあるのは、隅田川は下總と武藏の國境であるといふ一般讀者の智識には迷惑でしかない。多摩川が出てきてゐないから、それかもしれないと推測するのだが、業平が歌詠みにけりと辻褄が合はないやうにも思はれる。謎。

歸り際、古本屋で太宰治『お伽草子』(新潮社〈文庫〉、1972)を拾ふ。表紙は秀英3號か。

21:47

  • [URL] の一番下の項目は取るべきなり。 (kzhrさん) 05 11/28 23:15
  • たしかに多摩川説は、國境でないといふことでこれも捨てるべき説でしたね。 (kzhrさん) 05 11/28 23:20
  • 御尤も。 (ふかはさん) 05 11/29 12:17
  • とは云へ、私は境川なる川をしらないのですが、あすだ河のあとは藤澤なのでよささうですね。 (kzhrさん) 05 11/29 23:37
a(半角)と入れてください。
 
最近の日記
過去ログへの誘ひ:
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2015