今手許に御配りした資料はイトーヨーカ堂の製品一覧、美味百撰で御座います。此度はこの表紙の批評を行いたいと思います。
まず、外見の簡単な説明をすると、手法は不明(苦笑)なのですが、照り返す金色の紙を使用しております。
文字ですが、上方に「イトーヨーカドーから、おいしさを追求した新しい「食のブランド」が誕生しました。」と太明朝体で書いてあり、中央に「美味百撰」と楷書のような行書の様な筆文字で書いてあります。そして其の上には恐らく一番上の文字と同じフォントで「びみひゃくせん」と仮名書きされています。また美味百撰の下には毎度御馴染イトーヨーカ堂のマークが入っております。
これを最初に見し時、「金色だー」とは思いつつも明朝体が最近の文字とわかり、ネタになるなと取っておきました。今でも美味百撰は続いているのでしょうか、私は知りません。
先程記述した通り、これに用いられているフォントは巷に言うオールド明朝ではなく、どちらかと言うと、旧東風やMS明朝に近い文字形体です。但し太明朝体なので、私のPCに入っているフォントで一番近いのはAR明朝体Uです。オールドで無い事の何が問題か。それはまず今より昔の物の方が高級感を持って接せられることが多いからです。今のフォントはディスプレイ用途が多いためか、仮名の自己主張を其の侭にしています。その為、仮名が目立ち過ぎて仕舞うのです。対してオールドは漢字の量が多かった時代に出来たために自己主張が抑えられ、漢字を引立たせます。其の違いを無視した為に「びみひゃくせん」が漢字のタイトルと餘り強さが変わりません。平仮名だけでは意味は伝わらないものです。茲は本当は附けないか、附けてももっと穏やかな文字にするべきでした。
筆文字も悪くは無い文字なのですが、茲にあると違和感を覚えかねない字体です。まず、「Ito Yokado」の位置が高過ぎる。かなり自由に書かれた文字で優雅さを感じさせはしますが、「Ito Yokado」と「びみひゃくせん」の文字に挟まれて締め付けられている様な様相を呈しています。金色の紙もこんな場所では滑稽です。
結論とすると、この表紙から受ける感じは高級ではない、精々中の上位ではないか、と言いたくなる程デザインの質が悪いように思われます。ヨーカ堂にはこんなのが御似合いだといわれる様なデザインにはして欲しくないものです。
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——貪欲と嫌惡と迷妄とを捨て、結び目を破り、命を失ふのを恐れることなく、犀の角のやうにただ獨り歩め
(中村元譯『ブッダの言葉 スッタニパータ』74詩、岩波書店、1984)
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